出会いとはじまりー行動するFool

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

前回“美しい瞬間を生きる”ということに続き、今日はこの本の「出会いとはじまり」についてのお話を。

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麻衣さんとの出会いは、2013年10月頃。私は9月に独立し、フリーランスの編集者としてWEBメディアの編集を中心に新しい仕事をスタートさせたばかりでした。あるカンファレンスで偶然お会いし、その後ライターの森旭彦さんの紹介で打ち合せをしました。独立してすぐは本の企画を積極的に進めるつもりはなかったのですが、とにかくその場の空気がとても心地良くて、この人の本を作りたいと思ったことを覚えています。

 

そこから著者・麻衣さん、ライター・森さん、編集者・徳という3人のチームでの本づくりがスタートします。ビジネス書と言われる分野の本は、著者が経営など本業がお忙しい、文章を書くのがなかなか困難といった理由から、文章のプロであるライターさんが取材をして書く場合が多くあります。森さんもそういった形で多くの本を手がけている優秀なライターさんです。この本もそのように進めていく予定でした。

 

でも、サンプル原稿として第1稿があがったとき、麻衣さんはどうしても違和感があると納得できないご様子。そして、「自分で書きたい」と。実は5年来の友人で麻衣さんのことを理解している森さんもその決意を聞いて「それがええと思う」と。私も麻衣さんは芯のある自分の言葉を持っている方だと思っていたので「好きなように、思うままに書いてみてください」と伝えました。

 

そこから、麻衣さんからひとつ、ふたつと原稿が届きます。それは、当初想定していたビジネス書の原稿ではなく、自分に向けたお手紙のようなエッセイでした。

 

この本は、私がちょうど25歳のときに、等身大の目線で25歳以下の人に向けた働き方の本を作りたいということで立ち上げた「U25 SURVIVAL MANUAL SERIES」というシリーズの10冊目であり、文章の書き方にもそれなりのフォーマットがありました。編集経験の浅い私の中にも、このシリーズにおいては、1項目に強いメッセージ(学び)とエピソードを必ず入れる、わかりやすい言葉で書く…といったルールのようなものが出来ていました。

 

ところが、麻衣さんから届いた原稿は一切そのフォーマットにもルールにも当てはまりません。普通なら書き直してもらうところですが、直感的に、この続きが読みたいと思い、「このまま書き続けてください」と伝えます。そして、エッセイが届くにつれて、私の中で編集方針が、フォーマットやルールにおさめない「自由なもの」へと変わっていきました。正しいか正しくないかはよくわからないけれど、とにかくその方向でやってみたいと。

 

「出会いとはじまり」という章の「行動するFool」というエッセイのなかに、麻衣さんが今の活動を始めたときのエピソードに沿って、こんな言葉が書かれています。

 

「……あたりまえで大事なことに気がついた。私というこの小さな存在が、世界に対してひとつの間違いも犯さずに帳尻を合わせて動こうとすると、身動きひとつできないということに。評論家ではなく、行動するFool(ばか)になろうと私は決めた。」

 

編集者としての経験も浅く、たいした実績もない小さな私が、自分のなかで勝手にルールを作ってそこに当てはめていてどうする。正しいか正しくないかなんてわからない、失敗してもいいから、今はやりたいと思うこと、新しいことに挑戦していこう、と思ったんですね。私もやっぱり、評論家ではなく、行動するFoolでありたいです。

徳瑠里香