3.世界と日常 ー 何の前触れもなく

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

これまでの「“美しい瞬間を生きる”ということ」、「出会いとはじまり」に続き、今日は「世界と日常」をテーマに本のお話をさせていただきます。

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本作りがスタートしてから、著者である麻衣さんと編集者である私は何度も何度もやりとりを重ねました。どんなテーマでエッセイを書いていくか、どんな構成にするか、どんなデザインにするか……それぞれ思うことを伝え合って少しずつ形にしていきます。私はその間ずっと日本にいましたが、麻衣さんはカトマンズやNYにいることもあり、国を超えて、打ち合せと称して、いろんなお話をしました。その半分くらいは、本に直接関係のないお話だったように思います(笑)。

 

本の原稿を印刷所に入れる(校了といいます)2週間前くらいは、特にやりとりが濃密になるのですが、麻衣さんはNY。私は日中WEBのお仕事をしていることもあり、日本の夜、NYの朝からはじまるFacebookやLINEでのやりとりが繰り返されます。日本の真夜中に電話口から聞こえるNYの朝に鳴り響くクラクションや消防車が走る音、電話を切るときには私は眠りにつく準備を、麻衣さんはこれから出かける準備をするため「おやすみなさい」と「いってきます」を口にする……そんな朝と昼と夜がちぐはぐな感じにどこかわくわくしたりして。

 

東京、カトマンズ、NYを行ったり来たりする麻衣さんが、「世界と日常」という章のなかの「何の前触れもなく」というエッセイに書いたことを私もちょっぴり体験させてもらったような気がします。

 

「何の前触れもなく、生活をアーティスティックに演出することは誰にだってできる。私は特に、時差や海外にいる友人たちを巻き込む演出が気に入っている。(中略)

 

世界中に友人がいるということは、私を安心させる。真夜中に、明け方に、眠れないような、うれしいことや悲しいこと、誰かに聞いてもらいたいような出来事があったときに、時差のある友人に声をかける。パソコンを開いて、私は自分の心の中の風景をタイプする。たまにはSkypeもする。声を通すとさらに際立つものがあって、私は夜の人でも、相手は昼の人だから、空気感がとってもちぐはぐで、それもいい感じ。

 

私の大切な人は今、NYにいる。私はカトマンズ。カトマンズの時間に2時間15分足して昼と夜をひっくり返す。そうやって時差を記憶している。そして私たちは毎日、おやすみと、おはようを同時に言う。」

 

麻衣さんはこうやって時差やなにかほんの些細なことを味方にして、生活を彩ることが上手だと思う。本が出来た後に、出版記念パーティーとして麻衣さんのお友達を招いて小さなホームパーティーを企画しました。二人で、シャンパンにワイン、チーズにナッツ、ドライフルーツなどを買い込んで、音楽をかけて、お客さんを待つ。

 

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そのときに麻衣さんが、ワインセラーに植物とお花を入れて飾り込んでいるのを見て、なんだかうっとりしてしまいました。ワインを注ぐときにほんのり花の香りがして、いい気分。台風のなか、集まってくれた方々を前にワインを片手に本のお話をして、肩肘張らない出版記念イベントになりました(みなさんがたくさんお土産を持ってきてくれたおかげで、私たちが買い込んだワインは一本も開いていないという…麻衣さんが帰国後のパーティーが楽しみです)。

 

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そんなふうに、麻衣さんといると仕事なんだか、遊んでいるのか、やっていることも話していることもその境界線を感じません。ライフワークバランスとかワークライフブレンドとかいろいろ言われるけれど、人生のなかに仕事も遊びも、家庭もある。世界で過ごす日々も日常で、日常もちょっと工夫するだけで素敵な世界になる。世界と日常にも境界線はなく、すべて自分の生活、人生のなかに取り込んでしまえばいいんだと思う。

 

私はこれから、もっとシンプルに、素直に、よくばりに生きたいと思っている。

徳瑠里香