3.世界と日常 ー 何の前触れもなく

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

これまでの「“美しい瞬間を生きる”ということ」、「出会いとはじまり」に続き、今日は「世界と日常」をテーマに本のお話をさせていただきます。

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本作りがスタートしてから、著者である麻衣さんと編集者である私は何度も何度もやりとりを重ねました。どんなテーマでエッセイを書いていくか、どんな構成にするか、どんなデザインにするか……それぞれ思うことを伝え合って少しずつ形にしていきます。私はその間ずっと日本にいましたが、麻衣さんはカトマンズやNYにいることもあり、国を超えて、打ち合せと称して、いろんなお話をしました。その半分くらいは、本に直接関係のないお話だったように思います(笑)。

 

本の原稿を印刷所に入れる(校了といいます)2週間前くらいは、特にやりとりが濃密になるのですが、麻衣さんはNY。私は日中WEBのお仕事をしていることもあり、日本の夜、NYの朝からはじまるFacebookやLINEでのやりとりが繰り返されます。日本の真夜中に電話口から聞こえるNYの朝に鳴り響くクラクションや消防車が走る音、電話を切るときには私は眠りにつく準備を、麻衣さんはこれから出かける準備をするため「おやすみなさい」と「いってきます」を口にする……そんな朝と昼と夜がちぐはぐな感じにどこかわくわくしたりして。

 

東京、カトマンズ、NYを行ったり来たりする麻衣さんが、「世界と日常」という章のなかの「何の前触れもなく」というエッセイに書いたことを私もちょっぴり体験させてもらったような気がします。

 

「何の前触れもなく、生活をアーティスティックに演出することは誰にだってできる。私は特に、時差や海外にいる友人たちを巻き込む演出が気に入っている。(中略)

 

世界中に友人がいるということは、私を安心させる。真夜中に、明け方に、眠れないような、うれしいことや悲しいこと、誰かに聞いてもらいたいような出来事があったときに、時差のある友人に声をかける。パソコンを開いて、私は自分の心の中の風景をタイプする。たまにはSkypeもする。声を通すとさらに際立つものがあって、私は夜の人でも、相手は昼の人だから、空気感がとってもちぐはぐで、それもいい感じ。

 

私の大切な人は今、NYにいる。私はカトマンズ。カトマンズの時間に2時間15分足して昼と夜をひっくり返す。そうやって時差を記憶している。そして私たちは毎日、おやすみと、おはようを同時に言う。」

 

麻衣さんはこうやって時差やなにかほんの些細なことを味方にして、生活を彩ることが上手だと思う。本が出来た後に、出版記念パーティーとして麻衣さんのお友達を招いて小さなホームパーティーを企画しました。二人で、シャンパンにワイン、チーズにナッツ、ドライフルーツなどを買い込んで、音楽をかけて、お客さんを待つ。

 

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そのときに麻衣さんが、ワインセラーに植物とお花を入れて飾り込んでいるのを見て、なんだかうっとりしてしまいました。ワインを注ぐときにほんのり花の香りがして、いい気分。台風のなか、集まってくれた方々を前にワインを片手に本のお話をして、肩肘張らない出版記念イベントになりました(みなさんがたくさんお土産を持ってきてくれたおかげで、私たちが買い込んだワインは一本も開いていないという…麻衣さんが帰国後のパーティーが楽しみです)。

 

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そんなふうに、麻衣さんといると仕事なんだか、遊んでいるのか、やっていることも話していることもその境界線を感じません。ライフワークバランスとかワークライフブレンドとかいろいろ言われるけれど、人生のなかに仕事も遊びも、家庭もある。世界で過ごす日々も日常で、日常もちょっと工夫するだけで素敵な世界になる。世界と日常にも境界線はなく、すべて自分の生活、人生のなかに取り込んでしまえばいいんだと思う。

 

私はこれから、もっとシンプルに、素直に、よくばりに生きたいと思っている。

徳瑠里香

飾り結びが伝えてくれること

こんにちは。

美容ジャーナリスト・植物療法士の柏谷麻夕子です。

Lalitpurのソープにあしらわれている紐結びは、八つ字結びという

江戸時代に生まれた飾り結びです。

飾り結びにはほかにも、梅や菊、リボン型、伊勢エビ(!)など、

紐1本でできているとは思えないほど美しく、凝ったデザインがたくさん。

物が少ない中でも、それこそ紐1本でも工夫しておしゃれを楽しもうとする、

江戸人のあっぱれな心意気。

Lalitpurはそれを化粧品のデザインに取り込みました。

 

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話はかわりますが、代表の向田がCoffret Projectを始めるきっかけとなった、

とても印象深いエピソードがあります。

向田がネパールの女性たちに

「もし、すべてが自由だとしたら、何が欲しい? 何がしたい?」

と尋ねたときのこと。

医療、教育、電気やガス、快適な衣食住、きれいな飲み水・・・

ネパールには、足りないものがたくさんあります。

でも答えは、向田が予想していたものとはまったく違うものでした。

 

「お化粧がしたい」「おしゃれがしたい」。

 

彼女たちのこの答えを受けて、向田が手持ちのコスメで

お化粧ワークショップを行ったのがCoffret Projecttの始まりだったわけですが、

この答えは、美容に携わる者として、とても衝撃的でした。

どんな状況で暮らしていても、女性は美容やおしゃれをしたい生き物で、

ほんの少しの紅や飾りでも心がうるおい、

自分を愛する心が芽生える生き物。

これは古今東西、変わらない真実で、

美容やおしゃれはともすればチャラチャラしたものと思われることもありますが、

とても尊い本質をもっています。

同時に、日本では当たり前の「美容やおしゃれを自由に楽しむ」ことを、

できない女性が世界には大勢いることに気づくのです。

ソープの飾り結びを見るにつけ、

そういった本質と現実に思いを馳せずにいられません。

1人でも多くの女性が、美容やおしゃれの恩恵を受けられるといいな。

Lalitpur も、私も、ちょっぴりでもその力になれるといいな、と願うのでした。

 

 

紐はネパールのシェルターの女の子たちによる手作業で作られています。

 

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LalitpurにMEN’Sライン誕生

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)向田麻衣です。

 

今日は待望のMEN’S ライン誕生のお知らせです。

既に雑誌、ラジオなど、いくつかのメディアでも

ご紹介をいただきましたが、9月にMEN’Sのシリーズを発表いたしました!

http://lalitpur.jp/products/#mens

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MEN’Sラインには、使い心地がさっぱりと仕上がるようにと

ネパール産のオーガニックレモングラスの精油を配合しました。

 

今回もパッケージはSIRI SIRI 岡本菜穂さんによるデザイン。

レモングラスをイメージして、明るいグリーンのパッケージに

黒文字と黒の飾り紐を合わせました。

 

このレモングラス、実はネパールの私たちの石けん工房の畑で育てている自家製のハーブなのです。

自分たちが育てることで、自信をもってオーガニックと言い切れる商品が出来上がりました。

 

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Lalitpurのプロダクトに配合しているハーブの一部。2段目の右側がレモングラスです。

今回のMEN’Sラインを作るにあたって、特にこだわった商品は、Top to Toe Soap JL。

Top to Toeとある通り、頭(髪の毛)からつま先まで、全身洗っていただけるソープです。

250gという、これまでのLalitpurのソープの3倍以上の大きさのソープが完成しました。

 

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ひとつで髪の毛から顔、全身を洗える事で、バスルームはすっきりとシンプルに。

また、旅先などには家族で使っていただくのも素敵だなと思って開発しました。

 

全身にお使いいただいても、3〜4ヶ月は十分に使っていただけます。

MEN’Sといっても、もちろん女性にもおすすめ。

私もこちらのソープはお気に入り。ボディ用に使用しています。

 

たっぷり泡立てて洗ったり、時に濡れた肌の上にソープを滑らせてみたり、

使い方はお好みに合わせて、使いやすいように洗ってみてください。

 

こちらのMEN’Sライン、男性スタッフからのレポートも近日アップいたしますのでおたのしみに。

 

 

 

ヤクミルクを求めて山道を行く 3

こんにちは。Lalitpur (ラリトプール)向田麻衣です。

今日は先日書いた「ヤクミルクを求めて山道を行く 2」の続きです。

さて、ヨレヨレの状態でしたが、ようやくヤクミルクの

ファーマーが暮らす山の登り口まで到着!

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目の前に聳える、こちらの山に登りました!

「山の登り口」というのはつまるところ、車が通ることができない道を指します。

決して、ハイキングのようなたのしい山登りではなく、

落ちたら一巻の終わりの崖っぷちを精神を集中して登るような瞬間も。

この登山は6月、ネパールの雨季の時期に行ったため、途中は大雨に降られます。

濡れた状態だと体も冷えるので、途中、休憩の山小屋で来ていたTシャツを

着替えようと脱ぐと、右腕の内側、太い血管が通っているあたりに

1、5センチ×5センチくらいの黒い固まりが!

なんと、血を吸って大きくなったヒルが私の腕の内側に張り付いていたのです。

私は一緒に登っていた、ネパール人のハリーさんに、泣きそうになりながら

(いま書きながらでも涙が出そうです…)ヒルをとってもらうようお願いし、

取ってもらったのはよいのですが、それが悲劇の始まり。

ヒルのくちばし(と呼ぶのでしょうか…)は皮膚に刺しているときは2センチくらいの長さになり

玄人の取り方としては、タバコの火などを押し付けて、くちばしを引っ込めた時に

皮膚からはがすのがベストのようですが、そんなことなど知らない私は

とにかくすぐにとっても欲しいとお願いし、引きはがしてもらい

そこから大量の出血が始まったのです。

手持ちの絆創膏をいくら貼っても、出血が多過ぎてすぐにはがれて落ちてしまう。

仕方がないので、そのとき着ていた、ジョージクリントンのTシャツ

(ビルボードでライブの後に興奮して買った、「free your mind」と書かれたやつ)

をねじって、腕に巻き付け、縛り、止血を試みました。

布地に滲んでくる血を見ながらも、雨も強くなって、

体も冷えてしまうので、とにかく高度3000メートルのところにある

山小屋まで向かわなければいけません。私は青ざめたまま、みんなと一緒に

いっぽいっぽ、さらにヨレヨレになりながらも、山道を登り始めました。

私は2年前にネパールでマンゴーを食べ過ぎ、アレルギーを発症しているのですが

そのときスタッフが持ってきていた食料は残念なことにマンゴーのみ。

私はみんなが休憩中にマンゴーを食べているとき、水だけを飲みながら、

道に倒れ込んで、休憩をとっていました。

その時に、ヒルが私の体に吸い付いたんですね、、きっと。

高度3000メートルまで、本当にいっぽいっぽ、ゆっくりとしか

登る事ができない私を、ハリーが、じっと着いていてくれて

私に杖を貸してくれたり、全ての荷物を持ってくれたり、最終的には、

山小屋までの最後の200メートルは、動けない私を引きずって上まで運んでくれました。

ハリーがいなければ、私は山に登る事はできなかったと思います。

本当に、ありがとう。

今も彼はLalitpurでプロダクトに配合している植物やミルクを届けてくれる大切な役割を担ってくれています。

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右がハリー。左はヤクミルクのファーマーです。

ほとんど記憶がない状態で、夕方6時頃、山小屋に到着。

山小屋の板の間に横になり、震えながらも、そのまま朝まで12時間眠りました。

翌日は更に300メートル登り、やっと今回の目的だった

ヤクミルクのファーマーに会う事ができます。

続きはまた次回!

向田麻衣

出会いとはじまりー行動するFool

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

前回“美しい瞬間を生きる”ということに続き、今日はこの本の「出会いとはじまり」についてのお話を。

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麻衣さんとの出会いは、2013年10月頃。私は9月に独立し、フリーランスの編集者としてWEBメディアの編集を中心に新しい仕事をスタートさせたばかりでした。あるカンファレンスで偶然お会いし、その後ライターの森旭彦さんの紹介で打ち合せをしました。独立してすぐは本の企画を積極的に進めるつもりはなかったのですが、とにかくその場の空気がとても心地良くて、この人の本を作りたいと思ったことを覚えています。

 

そこから著者・麻衣さん、ライター・森さん、編集者・徳という3人のチームでの本づくりがスタートします。ビジネス書と言われる分野の本は、著者が経営など本業がお忙しい、文章を書くのがなかなか困難といった理由から、文章のプロであるライターさんが取材をして書く場合が多くあります。森さんもそういった形で多くの本を手がけている優秀なライターさんです。この本もそのように進めていく予定でした。

 

でも、サンプル原稿として第1稿があがったとき、麻衣さんはどうしても違和感があると納得できないご様子。そして、「自分で書きたい」と。実は5年来の友人で麻衣さんのことを理解している森さんもその決意を聞いて「それがええと思う」と。私も麻衣さんは芯のある自分の言葉を持っている方だと思っていたので「好きなように、思うままに書いてみてください」と伝えました。

 

そこから、麻衣さんからひとつ、ふたつと原稿が届きます。それは、当初想定していたビジネス書の原稿ではなく、自分に向けたお手紙のようなエッセイでした。

 

この本は、私がちょうど25歳のときに、等身大の目線で25歳以下の人に向けた働き方の本を作りたいということで立ち上げた「U25 SURVIVAL MANUAL SERIES」というシリーズの10冊目であり、文章の書き方にもそれなりのフォーマットがありました。編集経験の浅い私の中にも、このシリーズにおいては、1項目に強いメッセージ(学び)とエピソードを必ず入れる、わかりやすい言葉で書く…といったルールのようなものが出来ていました。

 

ところが、麻衣さんから届いた原稿は一切そのフォーマットにもルールにも当てはまりません。普通なら書き直してもらうところですが、直感的に、この続きが読みたいと思い、「このまま書き続けてください」と伝えます。そして、エッセイが届くにつれて、私の中で編集方針が、フォーマットやルールにおさめない「自由なもの」へと変わっていきました。正しいか正しくないかはよくわからないけれど、とにかくその方向でやってみたいと。

 

「出会いとはじまり」という章の「行動するFool」というエッセイのなかに、麻衣さんが今の活動を始めたときのエピソードに沿って、こんな言葉が書かれています。

 

「……あたりまえで大事なことに気がついた。私というこの小さな存在が、世界に対してひとつの間違いも犯さずに帳尻を合わせて動こうとすると、身動きひとつできないということに。評論家ではなく、行動するFool(ばか)になろうと私は決めた。」

 

編集者としての経験も浅く、たいした実績もない小さな私が、自分のなかで勝手にルールを作ってそこに当てはめていてどうする。正しいか正しくないかなんてわからない、失敗してもいいから、今はやりたいと思うこと、新しいことに挑戦していこう、と思ったんですね。私もやっぱり、評論家ではなく、行動するFoolでありたいです。

徳瑠里香

 

Lalitpurのあるアウトドアライフ

こんにちは。美容ジャーナリスト・植物療法士の柏谷麻夕子です。

Lalitpurのパッケージの色は、

どこかノスタルジックで“大地”の気配がする

鮮やかなピンク色。

ネパールの国花のアンソポーゴン(しゃくなげ)の色であり

日本の伝統色「つつじ色」を採用しています。

 

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自然のものをモデルにしているためか、

自然に囲まれたロケーションで特にフォトジェニックなのです。

先日、本栖湖畔でキャンプをしたときも持っていきましたが、

空の青、水の青、山の青、葉の緑、雲の白といった自然の色と、

妙にマッチすることを発見。

 

朝もやの本栖湖畔にて。

朝もやの本栖湖畔にて。

 

前置きが長くなりましたが、

スタッフの木村も書いていたとおり、Lalitpurはビジュアルも使用性も、

アウトドアライフにぴったりです。

私が持っていくスキンケアアイテムは、

フェイシャル ソープ JY、化粧水、マルチ バーム SA、日焼け止め、以上。

フェイシャル ソープ JYはしっかり泡立てると軽いメイクも落とせてしまうし、

マルチ バーム SAは保湿剤やリップクリームとしても、ヘアワックスとしても、

ボディクリームとしても使えてまさに万能。

荷物がぐっと減るし、ミニマムなアイテムで

やりくりできることが、ちょっと嬉しくなります。

 

電線や電柱が見えない一面の自然の中で、

子どもたちは土まみれ、水浸しになって遊び、たき火で暖をとり、

日が落ちたら眠る仕度・・・とやっていると、

心の中がどんどん“ふるい”にかけられて、

感覚が洗われていく実感があります。

私はもともとかなりのインドア派ですが、

外で料理したり、お茶を飲んだり、家族やお友達とお話したり・・・

と過ごすだけで楽しいし、リフレッシュ。

自然の癒しの力は偉大です。

今年はあと何回キャンプができるだろうか。

もちろんまたLalitpurのアイテムを持っていきます。

 

 


※ただいま大人気のMulti Balm SAは入荷待ちとなっております。

お待たせしてしまい申し訳ありませんが、10月末の入荷を予定しています。

ご予約はこちらまでお問い合わせくださいませ! info@lalitpur.jp

 

 

【化粧の本棚】vol.1 ロバと蒸気が生み出した美 

今日から私(向田麻衣)の初めての書籍「”美しい瞬間”を生きる」の

企画をしてくれたライター森旭彦さんの連載【化粧の本棚】がスタートします。

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ますますこのページがMagazineらしくなってまいりました。

それでは、どうぞお楽しみください!

こんにちは、ライターの森です。

普段は主にサイエンスやアートなどについていろんなところでインタビューや書き物をしています。

僕はこの本をつくる中で、向田麻衣といろんなインタビューを重ねてゆきました。本を書く時というのは、特殊な記憶を使います。

僕たちはいろんな記憶を使って毎日を生きています。でも、生まれてからの全ての記憶を使って毎日を生きているわけではありませんよね。一日の時間は限られているとともに、毎日全ての記憶を総動員して生きる必要はないからです。

しかし、本を書くという行為が日常になると、こうした記憶の使い方が変わります。1ページ、1行、1文、1語を書くとき、たくさんの記憶が必要になります。そしてその多くは普段使っていない記憶たちなのです。

たとえば、「初めてお化粧をした時のことを、いますぐ鮮明に思い出したい」と思ったところで、人によって個人差はありますが、そううまく思い出すことはできないものです。

その時にクラスで一番おしゃれだった人のことを思い出し、その子がどんなファッションリーダーかを誰かと話しているうちに、ふと、口紅を初めて買った場所を思い出すかもしれない。そしてその口紅を塗った自分の姿を母親が見た時の反応を思い起こすことがあるかもしれません。

そんなことを思い出すうちに、母親のポーチから口紅を勝手に取り出して塗って怒られた幼い日のことを鮮明に思い出すかもしれません。

言葉はそうやって生まれるものだと僕は思います。

人間の記憶というものは、とても都合よくできているのですが、それが本を書く時にも好都合なわけではなかったりします。書くことは、思い出すことがなかった記憶を呼び覚ますことの連続です。書き手は文章を書く中で、そうした「特殊な記憶」をたくさん生み出して、本を書き、本の中で生き、その記憶を持って本の外にも出ていきます。

書き手は本の中でも外でも、今まで自分が出会わなかった自分に出会うのです。

本は読む人も変える力がありますが、書く人も変わります。

それはとても特別なことだと思うのです。

そして僕がこの世界で一番好きな瞬間でもあります。

本を読んでいて、まるで自分が見透かされているような気持ちになる時や、ずっと言われたかったことを言われているような感覚に陥るとき、人は作家の特殊な記憶がつくりだした、「記憶の小部屋」の中にいると言えるでしょう。その小部屋では、鳥が海を泳ぎ、ひつじが空に浮かんでいることもあるかもしれません。

それらはまた、作家によって呼び覚まされたあなたの特殊な記憶が描いた風景画でもあるのです。

と、そんなわけで、僕は親友である向田麻衣に、特殊な記憶の部屋に入ってもらうために、本を作っていく中でいろんなお話をする、というのが今回の役回りでした。

お話をするためには彼女と話を合わせなければなりません。つまりお化粧の話をしなければならないわけです。そこで僕はお化粧の勉強をしました。お仕事のたびにいろんな勉強をしなければならないことも、ライターの仕事の面白さのひとつ。その当時の1日の時間割は、朝に図書館情報学、昼からはデータサイエンス、時に物理学ではアインシュタインの発想に感動を覚えながらの、お化粧の勉強です。

僕にとって女性は毎日自分の顔に絵を描いて街を歩いてゆく不思議な存在ですが、彼女らもお化粧の歴史を全て知っているかというとそうではありません。これも意外なことでした。そしてお化粧の世界というのは非常に深く、面白みに満ちていて、実は今もいろんな本を読んでいます。

そんなわけで、ここでは僕が彼女と話をするためにしてきた勉強と、その後のお化粧の自由研究をお話していきたいと思います。男性が読む化粧の歴史というところに新鮮味を感じていただけると嬉しいです。

さて、突然僕の母の話になるのですが、彼女はこの10年間ほど、夜になると自分の顔に蒸気を当てています。僕の実家のリビングには、いつも母専用の蒸気発生装置があります。ボタンひとつで大量の蒸気が出て、まるで演歌歌手のドライアイスのモクモクのように彼女の顔を包みます。後ろから見ていると、産業革命さながらに彼女の頭からモクモクと煙が立ち昇っているではありませんか。なんでも顔に蒸気を当てることはシワを取り、色白できめ細かな肌を保つのに効果があるそうです。

また、彼女も常に精神統一をしながらこのモクモク状態をキープしているわけではなく、やはり退屈なのでテレビを見ます。つまり母風呂から上がる、蒸気発生、テレビを見てバカ笑い、この不思議な舞台一式が、彼女の独自の美容法なのです。

こうした女性の独自の美しさの追求は、何も今に始まったことではありません。たとえば今から2000年近く前の古代ローマを生きたポッパエア・サビナが思い起こされます。そもそも「ポッパエア」という名前からしてタダ者ではない感が漂いますが、彼女は期待通り、ローマ帝国におけるオラオラ系の皇帝・ネロの二人目の妻だった女性です。

このポッパエアも僕の母同様、独自の美容法を実践していたヤンママでした。彼女はなんと美容のためにロバのミルクのお風呂に入っていたそうです。しかもこの後のエピソードから推測するに、おそらくお湯割りなどではなく、ストレート特濃ミルクです。それだけを聞くと、まあロバという点を除いてはいいエピソードなのですが、やり方がやはりオラオラです。

彼女はロバのミルク風呂に入るためだけに500頭ものプライベートロバを国費で飼っており、なんと旅行をする時も50頭のマイロバを連れて行ったといいます。もはや旅行というか、「移動牧場」です。しかも目的はヤンママ専用ミルク風呂。これは相当な強者です。旅先もたまったものじゃありません。ある日ヤンママがやってきたかと思ったら、大量のロバもいっしょでそのあたりの草を食い散らかすわけです。

ちなみにロバのミルクはシワを取り、色白できめ細かな肌を保つのに効果があるそうです。

あれ? どこかで聞いたような。ロバに比べれば母の蒸気はまだモダンに見えますが、基本的な型はほとんど変わっていないのではないかと感じています。

と、こんなことを本をつくっている間も、つくってからも僕はいろいろと勉強しております。そんなお話をこれから書いていこうと思います。

ちなみに今空港にいるのですが、これからイタリアはローマへ言ってまいります。会えたらロバにも会ってこようと思います。

いつ来ても空港の空気は素敵です。

自分の人生がスーツケース2つくらいにまとめられたら、それはとても素敵だなと思います。では。

HPがリニューアルしました

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)CEO 向田麻衣です。

実はこの度、LalitpurのWEBのPhilosophyのページをリニューアルしました。

http://lalitpur.jp/about

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特に注目していただきたいのが、「大自然の恵み」についての部分です。

 

Lalitpurのプロダクトには配合されている特徴的な原料の

絵と効能についての説明を加えています。

 

これらの原料は標高5000メートル級の岩場などに棲息し

季節も限られているため、写真撮影が難しいものばかり。

そこで、こちらを絵で表現することを手伝ってくださったのが

画家の下條ユリさんです。

 

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ユリさんとは今年の春にバッグデザイナーのアニヤ ハインドマーチさんのお声がけで

日本で初めて開かれた I WOMAN I ADMIREというディナー会がきっかけで出会いました。

自然体な中に、強さを感じる、魅力的な女性で、私は一目で大好きになってしまいました。

そしてお話をするなかで、お仕事でもご一緒できたらなぁという思いが芽生えました。

 

Lalitpurが大切にしている3つの価値観のひとつに

世界中の様々な分野で活躍する芸術家や文化人とのコラボレーションを通じて

 あなたの知性や感性を刺激し、新しいライフスタイルを提案します。」

という文言を入れています。

 

様々な角度からメッセージを発信することによって

ネパールや現地の女性たちが直面している現実について

より多くの人に知っていただくきっかけを作りたいと考えていれた文言です。

 

今回の絵の件も、思い切ってユリさんにお願いをしたところ

Lalitpurの価値観に共感してくださり、快く引き受けてくださいました。

 

6つの原材料の特徴や背景を丁寧に読み解いて描いてくださいました。

それぞれの絵と原料の説明についてはまた別の機会に。

 

下條ユリ: http://www.yurishimojo.com

 

 

「“美しい瞬間”を生きる」ということ

Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんが、お仕事や日々の生活の中で感じたことを

ありのままに綴った『“美しい瞬間”を生きる』

その本の編集担当の徳瑠里香です。はじめまして、こんにちは。

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企画がスタートしてすぐの打ち合わせ風景

編集担当と言われてもピンとこない方も多いかもしれません。

人それぞれですが、私は人(著者)と人(読者)をつなぐ人(編集者)だと思っています。

著者が持っている魅力や才能、伝えたいメッセージを潜在読者に届けるための道筋を作る。

具体的には、本のタイトルやデザインの方向性を決めたり、構成を組んだり、文章を整えたり、

売り方を考えたり……。本によって、編集者がやることが違ってくるので

一言ではお伝えできないのですが、ここでは、この本の編集について少しずつお話させていだきます。

 

まずは、「“美しい瞬間”を生きる」というタイトル、この本に込めた思いについてのお話を。

 

企画がスタートした当初は、ネパールでお化粧を通じて女性たちにとっての

「“美しい瞬間”をつくる」という麻衣さんのお仕事自体に焦点を置いたタイトルと

テーマの本にしようと思っていました。でも、麻衣さんと書籍づくりを進めていくうちに、

麻衣さんのやっていることは“ビジネス”という枠にはおさまらない!

「働き方」ではなく「生き方」を伝えたい、と思うようになります。

麻衣さんが、仕事を通じて「”美しい瞬間”をつくっている」というよりは、

「”美しい瞬間”を生きている」んだと。

 

そういう麻衣さんといるとなんだか自分の内面に入っていき、

ありのままでいいんだ、と思えてくるんですね。

今回の編集でとにかく重視したのは、麻衣さんが持つ世界観をできるだけ本に込めること。

静謐な生命力、内なる美しさ、自然体。Lalitpurが持っている世界観に近いものかもしれません。

 

もちろん、本は人によって捉え方も違うし、どこまでそれが表現できたかはわからないけれど、

読んだ方から「風が通るようだった」「音楽を聞いている気分だった」「居心地がよかった」……

ちょっと不思議なご感想もいただいています。麻衣さんを知る人が読むと、

「らしい」と思う人と「らしくない」と思う2パターンに分かれるそうで、

そこもなんだか面白い点だなと思います。

 

この本に込めた思い−−−麻衣さんはあとがきでこう書いています。

 

「私はこっそりこの本に込めた思いがあります。恋も仕事も家族も、

大切なものはぜんぶ大切と言いたい!ということです。

そして、いつ終わるかわからない人生なのだから、美しいものにたくさん出会い、

誰かを思い切り愛して、おいしいものを食べて、大好きな人たちと力を合わせて仕事をし、

いい音楽を聴いて、歌って、踊って、うっとりするような映画を観て、

好きな作家の本を読み、気持ちのいい場所で暮らして、悔いなく生きよう、ということでした。」

 

こういう“美しい瞬間“を積み重ねて生きていくこと。

編集者としても、麻衣さんと関わることで気づいた、

読者の方々に共有していきたい思いがそこにあります。

ぜひ手に取ってみてください。

 

次回からは、本のコンテンツタイトル「出会いとはじまり」「世界と日常」

「愛と自由」をテーマに、好きなエッセイを紹介しながら、

この本にまつわるお話をさせていただきます。

おたのしみに!

徳 瑠里香

 

編集者の存在

こんにちは!Lalitpur(ラリトプール)向田麻衣です。

先日、初めてエッセイ本を上梓させていただきました。

これまでいろいろな本のあとがきで、著者が編集者への感謝を

語っている部分を読む度、「へ〜編集者の仕事ってそんなに大事なんだ」

と、ぽかんとしていた私ですが、実際に本を書かせていただいてよくわかりました。

編集者がいなければ、本は完成しない。

 

初めはインタビューをライターさんに起こしてもらうという形でスタートしましたが

私自身が違和感を拭いきれず、自分で書かせていただくというかたちで仕切り直しました。

そうしてリスタートにも関わらず、まったく筆が進まずにいた私に

編集の徳さんが、絶妙なタイミングで声をかけてくれ、

そして書き始めるまで、忍耐強く待ってくれました。

 

出版という形で不特定多数の人の目にふれるということで

緊張したり、整えすぎたりしている私に、「そのままでいい」

と言い続けてくれました。そして、私はあるときから突然、

糸の切れた風船のように自由になり、本当に素直に、

気持ちと文字の温度や重さがちょうど良い物を書くことができました。

自分の殻を壊すことができたのは彼女が隣にいてくれたおかげです。

 

この仕事を通して気付いたことがあります。

それは、世界にたったひとりでも、理解者がいるという事実は

ものすごい力になるということ。

 

本に限らず、生きていること全てに通ずる気がしています。

たったひとりでも、信じてくれる人がいるということが

どれほど、その人を支え、影響を与えるか。

 

すばらしいチームで取り組むことができたことに心から感謝。

ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくおねがいします。

 

その編集の徳瑠璃香さんにもこのMagazineで連載していただくことになりました。

ぜひ徳さんの記事も楽しみにしていてくださいね!

 

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写真は出版を記念して、台風の日に行ってしまったホームパーティーです。

雨風が強くなる中、「もうひとりもこないのでは!」と思っていたのですが、

悪天候にも関わらずこんなにたくさんの友達がかけつけてくれました。

本当にうれしかった〜!

真ん中が私で、向かって右となりに座ってるのが徳さんです。 

 本はこちら:Amazon “美しい瞬間”を生きる

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