4. 愛と自由 -好きな人の鎖骨

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

 

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 書店営業のあと、ビールを飲む私たち

これまでの「“美しい瞬間を生きる”ということ」、「出会いとはじまり」、「世界と日常」と章タイトルにそって書かせていただきましたが、最後は「愛と自由」をテーマに、本にまつわるお話を。 本を作っていた期間、麻衣さんがエッセイを書いたら、Dropboxにそのつど共有してくださることになっていました。私は、好きな人からの手紙を待ってPostを毎日開いてしまう(今どきはLineかな)恋する乙女かのように、便りがない日でもついついDropboxを開いてみたりして、待っていました。 便りが届いた(エッセイがDropboxにあがった)ときは、嬉しくて、すぐに開いて原稿を読んでいたのですが、なかでも「おおお」と興奮した瞬間が2回あります。

そのひとつが「愛と自由」という章のなかにある「NYへ」というエッセイ。

麻衣さんからの便りがしばらく止まっていた時期、飛び立ったNYから久しぶりに届いたいつもより長いそのエッセイには、なにかが解き放たれたような自由さと、なにかを決意したかのような強さがありました。

 

「舞台に立って踊るという経験は、すべての人に体験する価値があると思うほど。この手、この指、この目、このつま先、このおしりでしか踊ることができないほどの不自由さと楽しさ。どんなに他人がうらやましてくも、誰かに憧れても、自分を極めることしかできない、絶望とおもしろさがあるから。それは、仕事やその他のことにも通ずることだと思う。自分は自分でしかない、でもそれを極めていくと決めた人にだけ見えるものがある。それって、与えられた命を生きるということそのものだと感じる。」

「ここで私は正直に言いたい。 私が今の仕事をしている理由なんてない。やりたいと思ったから。それだけだ。」

「下手でも、表現しようとして行動する人に対しては、チャンスが訪れる。私はこれまで日本で知らず知らずのうちに縛られていたもの、戦っていたことから解放され、より本質的なことで奮闘することを許された気がした。」

 

長いのでほんの一部を抜粋することしかできませんが、この他にも自分を生きる、自由への覚悟の片鱗を見せる言葉が並んでいます。このエッセイが届いたとき、私はこれがこの本の核になるんだろうと強く思ったことを覚えています。 そして、ふたつめが「好きな人の鎖骨」というエッセイ。届いたときにきゅんとして、好きだなあこの感じ、と嬉しくなった。このことは、以前書いたnoteに書いたので、興味のある方はこちらを読んでいただけたらと思います。

これまで、全4回にわたって『”美しい瞬間”を生きる』のなかの好きなエッセイを紹介してきました。私はこの本の編集者という立場ではありますが、読者のひとりでもあります。私はこの本に背中を押されて、自分が好きなことに素直になって、「”美しい瞬間”を生きる」ために小さな小さな一歩を踏み出すことを決めました。(そのことについては、少し先になるかもしれませんが、もし機会があればみなさんにこの場を借りてお知らせできたら嬉しいです。)心に決めたって、慌ただしい毎日や上手くいかないことに流されてしまうこともあると思います。それでも、少しずつ”美しい瞬間”を積み重ねていきたい。

この本が、少しでも多くの人にとって、考え行動するきっかけ、「”美しい瞬間”を生きる」きっかけになったらとっても嬉しく思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

徳瑠里香

Amazon “美しい瞬間”を生きる

 

3.世界と日常 ー 何の前触れもなく

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

これまでの「“美しい瞬間を生きる”ということ」、「出会いとはじまり」に続き、今日は「世界と日常」をテーマに本のお話をさせていただきます。

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本作りがスタートしてから、著者である麻衣さんと編集者である私は何度も何度もやりとりを重ねました。どんなテーマでエッセイを書いていくか、どんな構成にするか、どんなデザインにするか……それぞれ思うことを伝え合って少しずつ形にしていきます。私はその間ずっと日本にいましたが、麻衣さんはカトマンズやNYにいることもあり、国を超えて、打ち合せと称して、いろんなお話をしました。その半分くらいは、本に直接関係のないお話だったように思います(笑)。

 

本の原稿を印刷所に入れる(校了といいます)2週間前くらいは、特にやりとりが濃密になるのですが、麻衣さんはNY。私は日中WEBのお仕事をしていることもあり、日本の夜、NYの朝からはじまるFacebookやLINEでのやりとりが繰り返されます。日本の真夜中に電話口から聞こえるNYの朝に鳴り響くクラクションや消防車が走る音、電話を切るときには私は眠りにつく準備を、麻衣さんはこれから出かける準備をするため「おやすみなさい」と「いってきます」を口にする……そんな朝と昼と夜がちぐはぐな感じにどこかわくわくしたりして。

 

東京、カトマンズ、NYを行ったり来たりする麻衣さんが、「世界と日常」という章のなかの「何の前触れもなく」というエッセイに書いたことを私もちょっぴり体験させてもらったような気がします。

 

「何の前触れもなく、生活をアーティスティックに演出することは誰にだってできる。私は特に、時差や海外にいる友人たちを巻き込む演出が気に入っている。(中略)

 

世界中に友人がいるということは、私を安心させる。真夜中に、明け方に、眠れないような、うれしいことや悲しいこと、誰かに聞いてもらいたいような出来事があったときに、時差のある友人に声をかける。パソコンを開いて、私は自分の心の中の風景をタイプする。たまにはSkypeもする。声を通すとさらに際立つものがあって、私は夜の人でも、相手は昼の人だから、空気感がとってもちぐはぐで、それもいい感じ。

 

私の大切な人は今、NYにいる。私はカトマンズ。カトマンズの時間に2時間15分足して昼と夜をひっくり返す。そうやって時差を記憶している。そして私たちは毎日、おやすみと、おはようを同時に言う。」

 

麻衣さんはこうやって時差やなにかほんの些細なことを味方にして、生活を彩ることが上手だと思う。本が出来た後に、出版記念パーティーとして麻衣さんのお友達を招いて小さなホームパーティーを企画しました。二人で、シャンパンにワイン、チーズにナッツ、ドライフルーツなどを買い込んで、音楽をかけて、お客さんを待つ。

 

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そのときに麻衣さんが、ワインセラーに植物とお花を入れて飾り込んでいるのを見て、なんだかうっとりしてしまいました。ワインを注ぐときにほんのり花の香りがして、いい気分。台風のなか、集まってくれた方々を前にワインを片手に本のお話をして、肩肘張らない出版記念イベントになりました(みなさんがたくさんお土産を持ってきてくれたおかげで、私たちが買い込んだワインは一本も開いていないという…麻衣さんが帰国後のパーティーが楽しみです)。

 

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そんなふうに、麻衣さんといると仕事なんだか、遊んでいるのか、やっていることも話していることもその境界線を感じません。ライフワークバランスとかワークライフブレンドとかいろいろ言われるけれど、人生のなかに仕事も遊びも、家庭もある。世界で過ごす日々も日常で、日常もちょっと工夫するだけで素敵な世界になる。世界と日常にも境界線はなく、すべて自分の生活、人生のなかに取り込んでしまえばいいんだと思う。

 

私はこれから、もっとシンプルに、素直に、よくばりに生きたいと思っている。

徳瑠里香

出会いとはじまりー行動するFool

こんにちは。Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんの著書『“美しい瞬間を生きる”』の編集担当の徳瑠里香です。

前回“美しい瞬間を生きる”ということに続き、今日はこの本の「出会いとはじまり」についてのお話を。

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麻衣さんとの出会いは、2013年10月頃。私は9月に独立し、フリーランスの編集者としてWEBメディアの編集を中心に新しい仕事をスタートさせたばかりでした。あるカンファレンスで偶然お会いし、その後ライターの森旭彦さんの紹介で打ち合せをしました。独立してすぐは本の企画を積極的に進めるつもりはなかったのですが、とにかくその場の空気がとても心地良くて、この人の本を作りたいと思ったことを覚えています。

 

そこから著者・麻衣さん、ライター・森さん、編集者・徳という3人のチームでの本づくりがスタートします。ビジネス書と言われる分野の本は、著者が経営など本業がお忙しい、文章を書くのがなかなか困難といった理由から、文章のプロであるライターさんが取材をして書く場合が多くあります。森さんもそういった形で多くの本を手がけている優秀なライターさんです。この本もそのように進めていく予定でした。

 

でも、サンプル原稿として第1稿があがったとき、麻衣さんはどうしても違和感があると納得できないご様子。そして、「自分で書きたい」と。実は5年来の友人で麻衣さんのことを理解している森さんもその決意を聞いて「それがええと思う」と。私も麻衣さんは芯のある自分の言葉を持っている方だと思っていたので「好きなように、思うままに書いてみてください」と伝えました。

 

そこから、麻衣さんからひとつ、ふたつと原稿が届きます。それは、当初想定していたビジネス書の原稿ではなく、自分に向けたお手紙のようなエッセイでした。

 

この本は、私がちょうど25歳のときに、等身大の目線で25歳以下の人に向けた働き方の本を作りたいということで立ち上げた「U25 SURVIVAL MANUAL SERIES」というシリーズの10冊目であり、文章の書き方にもそれなりのフォーマットがありました。編集経験の浅い私の中にも、このシリーズにおいては、1項目に強いメッセージ(学び)とエピソードを必ず入れる、わかりやすい言葉で書く…といったルールのようなものが出来ていました。

 

ところが、麻衣さんから届いた原稿は一切そのフォーマットにもルールにも当てはまりません。普通なら書き直してもらうところですが、直感的に、この続きが読みたいと思い、「このまま書き続けてください」と伝えます。そして、エッセイが届くにつれて、私の中で編集方針が、フォーマットやルールにおさめない「自由なもの」へと変わっていきました。正しいか正しくないかはよくわからないけれど、とにかくその方向でやってみたいと。

 

「出会いとはじまり」という章の「行動するFool」というエッセイのなかに、麻衣さんが今の活動を始めたときのエピソードに沿って、こんな言葉が書かれています。

 

「……あたりまえで大事なことに気がついた。私というこの小さな存在が、世界に対してひとつの間違いも犯さずに帳尻を合わせて動こうとすると、身動きひとつできないということに。評論家ではなく、行動するFool(ばか)になろうと私は決めた。」

 

編集者としての経験も浅く、たいした実績もない小さな私が、自分のなかで勝手にルールを作ってそこに当てはめていてどうする。正しいか正しくないかなんてわからない、失敗してもいいから、今はやりたいと思うこと、新しいことに挑戦していこう、と思ったんですね。私もやっぱり、評論家ではなく、行動するFoolでありたいです。

徳瑠里香

 

【化粧の本棚】vol.1 ロバと蒸気が生み出した美 

今日から私(向田麻衣)の初めての書籍「”美しい瞬間”を生きる」の

企画をしてくれたライター森旭彦さんの連載【化粧の本棚】がスタートします。

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ますますこのページがMagazineらしくなってまいりました。

それでは、どうぞお楽しみください!

こんにちは、ライターの森です。

普段は主にサイエンスやアートなどについていろんなところでインタビューや書き物をしています。

僕はこの本をつくる中で、向田麻衣といろんなインタビューを重ねてゆきました。本を書く時というのは、特殊な記憶を使います。

僕たちはいろんな記憶を使って毎日を生きています。でも、生まれてからの全ての記憶を使って毎日を生きているわけではありませんよね。一日の時間は限られているとともに、毎日全ての記憶を総動員して生きる必要はないからです。

しかし、本を書くという行為が日常になると、こうした記憶の使い方が変わります。1ページ、1行、1文、1語を書くとき、たくさんの記憶が必要になります。そしてその多くは普段使っていない記憶たちなのです。

たとえば、「初めてお化粧をした時のことを、いますぐ鮮明に思い出したい」と思ったところで、人によって個人差はありますが、そううまく思い出すことはできないものです。

その時にクラスで一番おしゃれだった人のことを思い出し、その子がどんなファッションリーダーかを誰かと話しているうちに、ふと、口紅を初めて買った場所を思い出すかもしれない。そしてその口紅を塗った自分の姿を母親が見た時の反応を思い起こすことがあるかもしれません。

そんなことを思い出すうちに、母親のポーチから口紅を勝手に取り出して塗って怒られた幼い日のことを鮮明に思い出すかもしれません。

言葉はそうやって生まれるものだと僕は思います。

人間の記憶というものは、とても都合よくできているのですが、それが本を書く時にも好都合なわけではなかったりします。書くことは、思い出すことがなかった記憶を呼び覚ますことの連続です。書き手は文章を書く中で、そうした「特殊な記憶」をたくさん生み出して、本を書き、本の中で生き、その記憶を持って本の外にも出ていきます。

書き手は本の中でも外でも、今まで自分が出会わなかった自分に出会うのです。

本は読む人も変える力がありますが、書く人も変わります。

それはとても特別なことだと思うのです。

そして僕がこの世界で一番好きな瞬間でもあります。

本を読んでいて、まるで自分が見透かされているような気持ちになる時や、ずっと言われたかったことを言われているような感覚に陥るとき、人は作家の特殊な記憶がつくりだした、「記憶の小部屋」の中にいると言えるでしょう。その小部屋では、鳥が海を泳ぎ、ひつじが空に浮かんでいることもあるかもしれません。

それらはまた、作家によって呼び覚まされたあなたの特殊な記憶が描いた風景画でもあるのです。

と、そんなわけで、僕は親友である向田麻衣に、特殊な記憶の部屋に入ってもらうために、本を作っていく中でいろんなお話をする、というのが今回の役回りでした。

お話をするためには彼女と話を合わせなければなりません。つまりお化粧の話をしなければならないわけです。そこで僕はお化粧の勉強をしました。お仕事のたびにいろんな勉強をしなければならないことも、ライターの仕事の面白さのひとつ。その当時の1日の時間割は、朝に図書館情報学、昼からはデータサイエンス、時に物理学ではアインシュタインの発想に感動を覚えながらの、お化粧の勉強です。

僕にとって女性は毎日自分の顔に絵を描いて街を歩いてゆく不思議な存在ですが、彼女らもお化粧の歴史を全て知っているかというとそうではありません。これも意外なことでした。そしてお化粧の世界というのは非常に深く、面白みに満ちていて、実は今もいろんな本を読んでいます。

そんなわけで、ここでは僕が彼女と話をするためにしてきた勉強と、その後のお化粧の自由研究をお話していきたいと思います。男性が読む化粧の歴史というところに新鮮味を感じていただけると嬉しいです。

さて、突然僕の母の話になるのですが、彼女はこの10年間ほど、夜になると自分の顔に蒸気を当てています。僕の実家のリビングには、いつも母専用の蒸気発生装置があります。ボタンひとつで大量の蒸気が出て、まるで演歌歌手のドライアイスのモクモクのように彼女の顔を包みます。後ろから見ていると、産業革命さながらに彼女の頭からモクモクと煙が立ち昇っているではありませんか。なんでも顔に蒸気を当てることはシワを取り、色白できめ細かな肌を保つのに効果があるそうです。

また、彼女も常に精神統一をしながらこのモクモク状態をキープしているわけではなく、やはり退屈なのでテレビを見ます。つまり母風呂から上がる、蒸気発生、テレビを見てバカ笑い、この不思議な舞台一式が、彼女の独自の美容法なのです。

こうした女性の独自の美しさの追求は、何も今に始まったことではありません。たとえば今から2000年近く前の古代ローマを生きたポッパエア・サビナが思い起こされます。そもそも「ポッパエア」という名前からしてタダ者ではない感が漂いますが、彼女は期待通り、ローマ帝国におけるオラオラ系の皇帝・ネロの二人目の妻だった女性です。

このポッパエアも僕の母同様、独自の美容法を実践していたヤンママでした。彼女はなんと美容のためにロバのミルクのお風呂に入っていたそうです。しかもこの後のエピソードから推測するに、おそらくお湯割りなどではなく、ストレート特濃ミルクです。それだけを聞くと、まあロバという点を除いてはいいエピソードなのですが、やり方がやはりオラオラです。

彼女はロバのミルク風呂に入るためだけに500頭ものプライベートロバを国費で飼っており、なんと旅行をする時も50頭のマイロバを連れて行ったといいます。もはや旅行というか、「移動牧場」です。しかも目的はヤンママ専用ミルク風呂。これは相当な強者です。旅先もたまったものじゃありません。ある日ヤンママがやってきたかと思ったら、大量のロバもいっしょでそのあたりの草を食い散らかすわけです。

ちなみにロバのミルクはシワを取り、色白できめ細かな肌を保つのに効果があるそうです。

あれ? どこかで聞いたような。ロバに比べれば母の蒸気はまだモダンに見えますが、基本的な型はほとんど変わっていないのではないかと感じています。

と、こんなことを本をつくっている間も、つくってからも僕はいろいろと勉強しております。そんなお話をこれから書いていこうと思います。

ちなみに今空港にいるのですが、これからイタリアはローマへ言ってまいります。会えたらロバにも会ってこようと思います。

いつ来ても空港の空気は素敵です。

自分の人生がスーツケース2つくらいにまとめられたら、それはとても素敵だなと思います。では。

「“美しい瞬間”を生きる」ということ

Lalitpur(ラリトプール)のCEO向田麻衣さんが、お仕事や日々の生活の中で感じたことを

ありのままに綴った『“美しい瞬間”を生きる』

その本の編集担当の徳瑠里香です。はじめまして、こんにちは。

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企画がスタートしてすぐの打ち合わせ風景

編集担当と言われてもピンとこない方も多いかもしれません。

人それぞれですが、私は人(著者)と人(読者)をつなぐ人(編集者)だと思っています。

著者が持っている魅力や才能、伝えたいメッセージを潜在読者に届けるための道筋を作る。

具体的には、本のタイトルやデザインの方向性を決めたり、構成を組んだり、文章を整えたり、

売り方を考えたり……。本によって、編集者がやることが違ってくるので

一言ではお伝えできないのですが、ここでは、この本の編集について少しずつお話させていだきます。

 

まずは、「“美しい瞬間”を生きる」というタイトル、この本に込めた思いについてのお話を。

 

企画がスタートした当初は、ネパールでお化粧を通じて女性たちにとっての

「“美しい瞬間”をつくる」という麻衣さんのお仕事自体に焦点を置いたタイトルと

テーマの本にしようと思っていました。でも、麻衣さんと書籍づくりを進めていくうちに、

麻衣さんのやっていることは“ビジネス”という枠にはおさまらない!

「働き方」ではなく「生き方」を伝えたい、と思うようになります。

麻衣さんが、仕事を通じて「”美しい瞬間”をつくっている」というよりは、

「”美しい瞬間”を生きている」んだと。

 

そういう麻衣さんといるとなんだか自分の内面に入っていき、

ありのままでいいんだ、と思えてくるんですね。

今回の編集でとにかく重視したのは、麻衣さんが持つ世界観をできるだけ本に込めること。

静謐な生命力、内なる美しさ、自然体。Lalitpurが持っている世界観に近いものかもしれません。

 

もちろん、本は人によって捉え方も違うし、どこまでそれが表現できたかはわからないけれど、

読んだ方から「風が通るようだった」「音楽を聞いている気分だった」「居心地がよかった」……

ちょっと不思議なご感想もいただいています。麻衣さんを知る人が読むと、

「らしい」と思う人と「らしくない」と思う2パターンに分かれるそうで、

そこもなんだか面白い点だなと思います。

 

この本に込めた思い−−−麻衣さんはあとがきでこう書いています。

 

「私はこっそりこの本に込めた思いがあります。恋も仕事も家族も、

大切なものはぜんぶ大切と言いたい!ということです。

そして、いつ終わるかわからない人生なのだから、美しいものにたくさん出会い、

誰かを思い切り愛して、おいしいものを食べて、大好きな人たちと力を合わせて仕事をし、

いい音楽を聴いて、歌って、踊って、うっとりするような映画を観て、

好きな作家の本を読み、気持ちのいい場所で暮らして、悔いなく生きよう、ということでした。」

 

こういう“美しい瞬間“を積み重ねて生きていくこと。

編集者としても、麻衣さんと関わることで気づいた、

読者の方々に共有していきたい思いがそこにあります。

ぜひ手に取ってみてください。

 

次回からは、本のコンテンツタイトル「出会いとはじまり」「世界と日常」

「愛と自由」をテーマに、好きなエッセイを紹介しながら、

この本にまつわるお話をさせていただきます。

おたのしみに!

徳 瑠里香

 

編集者の存在

こんにちは!Lalitpur(ラリトプール)向田麻衣です。

先日、初めてエッセイ本を上梓させていただきました。

これまでいろいろな本のあとがきで、著者が編集者への感謝を

語っている部分を読む度、「へ〜編集者の仕事ってそんなに大事なんだ」

と、ぽかんとしていた私ですが、実際に本を書かせていただいてよくわかりました。

編集者がいなければ、本は完成しない。

 

初めはインタビューをライターさんに起こしてもらうという形でスタートしましたが

私自身が違和感を拭いきれず、自分で書かせていただくというかたちで仕切り直しました。

そうしてリスタートにも関わらず、まったく筆が進まずにいた私に

編集の徳さんが、絶妙なタイミングで声をかけてくれ、

そして書き始めるまで、忍耐強く待ってくれました。

 

出版という形で不特定多数の人の目にふれるということで

緊張したり、整えすぎたりしている私に、「そのままでいい」

と言い続けてくれました。そして、私はあるときから突然、

糸の切れた風船のように自由になり、本当に素直に、

気持ちと文字の温度や重さがちょうど良い物を書くことができました。

自分の殻を壊すことができたのは彼女が隣にいてくれたおかげです。

 

この仕事を通して気付いたことがあります。

それは、世界にたったひとりでも、理解者がいるという事実は

ものすごい力になるということ。

 

本に限らず、生きていること全てに通ずる気がしています。

たったひとりでも、信じてくれる人がいるということが

どれほど、その人を支え、影響を与えるか。

 

すばらしいチームで取り組むことができたことに心から感謝。

ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくおねがいします。

 

その編集の徳瑠璃香さんにもこのMagazineで連載していただくことになりました。

ぜひ徳さんの記事も楽しみにしていてくださいね!

 

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写真は出版を記念して、台風の日に行ってしまったホームパーティーです。

雨風が強くなる中、「もうひとりもこないのでは!」と思っていたのですが、

悪天候にも関わらずこんなにたくさんの友達がかけつけてくれました。

本当にうれしかった〜!

真ん中が私で、向かって右となりに座ってるのが徳さんです。 

 本はこちら:Amazon “美しい瞬間”を生きる

女の子へ書いたつもりだった

こんにちは。Lalitpur CEOの向田麻衣です。

これから3ヶ月、Magazineの中では、Lalitpurに纏わる様々なお話を

3名のスタッフとお届け致します。

おたのしみに!

最近、始めてのエッセイを上梓させていただきました。

 

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この本は「女の子へ書いたつもりだった」のですが、意外にも

多くの男性の読者の方からメッセージをいただきました。

 

意外だったのは、ある会社のCEOからの

「踊りについてのところ、よかった。」というメッセージでした。

私は学生時代にスペイン舞踊のフラメンコを踊っていたのですが

それについてすこしだけ書かせていただきました。

 

「この手、この指、この目、このつま先、このおしりでしか踊ることができない

不自由さとたのしさ。他人がどんなにうらやましくても、誰かに憧れても

自分を極めることしかできない、絶望とおもしろさがあるから。それは

仕事やその他のことにも通ずることだと思う。自分は自分でしかない、でも

それを極めていくときめた人にだけ見えるものがある。

それって与えられた命をいきるということそのものだと感じる。(中略)

それはひとつの世界に対する愛の形だと思っている」(p.109より)

 

そしてもうひとつ、とても驚いたのは、「子供に読ませたい」と

おっしゃってくれる方が多かったことです。

かなり親不孝でめちゃくちゃな20代前半を過ごしたので

どのポイントでいったいそう思っていただいたのか

私には本当に、皆目検討がつかないのです!

 

と、いろいろな思いがけないコメントをいただきましたが

その全てが私にとっては新しく、素晴らしい「事件」でした。

ありがとうございました。

 

頭で書いたものは捨てて、心で書いたり、人生で書いたりしました。

もしよろしければ手に取っていただけると嬉しいです。

Amazon “美しい瞬間”を生きる

 

追伸:どうしよう、、

いまリンクを貼るためにAmazonをみたら、2件のコメントがあったのですが、

ひとつは「向田」という名前の人が「感動した」ってかいているんですけど

これ、私の父なんじゃないかという疑惑が、、。

そうだとしたらなんてはずかしい!

 

(父よ、違ったら、疑ってごめん!)